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現代食の「ミネラル欠如」の実態

毎日の食卓に並ぶ食べ物のミネラル含有量はどれくらい?

昨日の夕飯は何を食べましたか?

女性(ポイント)

市販のチルドぎょうざを焼いて食べたわ!

コチラ↓ が、市販のぎょうざのミネラル実測値です。


(出典:「食事でかかる 新型栄養失調 」)

赤いラインは、厚生労働省の示している「推定平均必要量」です。しかし、実際の食品のミネラルを分析してもらった結果が、↑ 上記の実測値

店内調理のぎょうざも、チルドぎょうざも、冷凍ぎょうざも、基準値を満たしているのは「銅」だけで、他の「カルシウム」「マグネシウム」「鉄」「亜鉛」は全然足りていません。

女性(頭をおさえる)

ほんとだわ・・ 全然、栄養が足りていなかったのね・・


「ミネラル」とは?「ミネラル」とは、酸素・水素・炭素・チッソ以外の元素のことで、100種類ほど存在しています。その中で、厚生労働省によって摂取基準が定められているものは13種類。

体内に多く存在する5種類(「カルシウム」「リン」「カリウム」「ナトリウム」「マグネシウム」)を【 主要ミネラル 】といい、

体内にごくわずかしか存在しない8種類(「鉄」「亜鉛」「銅」「マンガン」「ヨウ素」「セレン」「モリブデン」「クロム」を【 微量ミネラル 】といいます。

「ミネラル」は、体内の含量が5%と非常に微量ですが、それぞれが重要な生理機能をつかさどっており、骨や歯の形成、神経興奮の抑制、細胞の正常な活動のバックアップ、筋肉の収縮、血管壁の強化、皮膚の維持、基礎代謝の促進、抗酸化作用など、さまざまな働きをしているのです。

しかしこれらは、体内では作ることができないので、食品から補う必要があります。


女性(腕組み)

でも、チルドや冷凍を買っても、お店で食べてもダメってことよね・・ じゃあ、どうすればいいのかしら・・?

まずは、なぜ、上記↑の「ぎょうざ」たちはミネラルが足りていない状態になっているのか? を知っていきましょう。

現代食にある3つの「ミネラル欠如」原因

水煮食品の増加

加工食品の原材料には「水煮食品」が広く使われるようになっています。「水煮食品」というと、例えば透明なパックに入っている「水煮タケノコ」や「筑前煮用水煮セット」などをイメージしますよね。

それらは、人件費や原材料が安い中国やベトナムで食材を買って、適度な大きさにカットし、水に入れて煮た後、何度もよく洗ってから、食品添加物の「リン酸塩」を入れて濁るのを止め、パックして加熱殺菌されたものです。

この「水煮」「何度もよく洗う」という工程で、その野菜のもつほとんどのミネラル分が流れでてしまっているのです。


(出典:月刊誌「食品と暮らしの安全」より)

例えば、冒頭のぎょうざの比較で、工場生産品のぎょうざである「チルドぎょうざ」や「冷凍ぎょうざ」と、「店内調理のぎょうざ」とのミネラル実測値がほとんど変わらなかったのは、店内調理のぎょうざであっても、ぎょうざの具は工場から各店舗へ届けられているものだったから、ということですね。

つまり、いくら手作りであっても、その原材料が「水煮食品」であると、それは「ミネラル欠如」の食品になってしまうのです。

女性(ポイント)

じゃあ、ぎょうざの具から家で手作りしていけば、「ミネラル欠如」にはなっていかない!ってことよね。

そうですね。家庭で手作りするものと、工場生産の食品とはそこに含まれるミネラル量が全然変わってきます。例えば「ポテトサラダ」で比較してもこれだけの違いが出ています。↓


(出典:「奇跡の食育②」)

女性(笑顔)

こんなに違ってくるものなのね!

「リン酸塩」を使った加工食品の増加

この「水煮食品」の問題に加えて考えていかなければいけないのが、食品添加物の「リン酸塩」の添加です。

「リン酸塩」とは、緩衝剤、安定剤、粘着剤などの目的で用いられる食品添加物のことです。毒性は低く、摂取しても体内に吸収されにくい、と問題視されてこなかったのですが、じつはこの「リン酸塩」、体内の「ミネラル」と結合して外に出してしまうという性質をもっているのです。

つまり、ただでさえ足りていない「ミネラル」が、「リン酸塩」が添加されている食品を食べることにより、さらに体内から奪われてしまうということですね。

女性(頭をおさえる)

それは大変ね!? 「リン酸塩」って具体的には、どんな食品に入っているの?

これは、ハムやソーセージ、かまぼこ、ちくわ、プリン、ケーキ、冷凍食品など、多種多様な加工食品に使われていますので、気をつけていかなければいけません。「pH調整剤」などの一括名で表示されることもありますので、よく現状を知っていきましょう。( 詳細は コチラ→ 【要注意】食品添加物の「リン酸塩」が体のミネラルを奪ってしまうってホント? )

精製食品、特に精製油脂の使用の増加

現代人は、ミネラルを含んでいない精製食品(白米、小麦、白砂糖など)を摂取する機会が増えています。さらに、ここ数十年で増えているのが、調理や加工食品の原料に使われる「精製油」

サラダ油もてんぷら油も、ラード(豚脂)もヘット(牛脂)も、加工食品に使われる油脂類も、食卓に出てくる油のほとんどは、油以外の成分を完璧に抜き取り「ミネラル」をゼロにした「精製油」になっているのです。

例外的に、精製されていない油としては、香りを大切にしている「ごま油」、またオリーブ油では「エキストラバージンオリーブオイル」、「落花生油」などのナッツ系の油やバターも精製すると味がなくなってしまうので、精製されていません。

なので「油溶性のミネラル」を摂るために、これらの油を意識的に選んでいく、摂っていく、ということをしていきましょうね。

女性(笑顔)

そっか。「水溶性」も「油溶性」もバランスよく「ミネラル」を摂っていくことが大切なのね!

そうですね。そのためには、現代食の現状を知っていくことです。現代人は、「水溶性のミネラル」が抜け落ちてしまった「水煮食品」を多く食し、「油溶性のミネラル」を取り除いた油を摂り、さらには、体内のミネラル分を奪う「リン酸塩」も多く摂取してしまっている。という現状がわかれば、おのずとその対策方法が見えてきますよね。