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女性(腕組み)

【 腸内フローラ 】ってよく聞くわよね。「腸」の「お花畑(フローラ)」って、どういうことかしら?

「腸内フローラ」とは?

いま話題の【 腸内フローラ

「腸内フローラ」とは、腸内に生息している微生物の生態系のことを言います。「フローラ」というのは「お花畑」というを意味ですよね。私たちの腸には 100種類以上 100兆個以上の微生物が住みついていると言われています。そして、これらの多種多様な微生物の生息するさまが、まるでさまざまな植物がならぶお花畑のように見えることから、このように呼ばれているのです。

いま、この「腸内フローラ」によって、「病気」も「性格」も「体質」も「寿命」も変わってくる!という事実が、少しずつ確認され始めてきています。そして世界では、国家プロジェクトとして研究している国もあるくらいです。

マウス実験で体質が変わることが証明されている!

例えば、こんな実験があります。

やせたマウスのもつ腸内細菌と、太ったマウスのもつ腸内細菌を、それぞれに交換移植をしたところ、太ったマウスの腸内細菌を移植したマウスは、劇的に体脂肪率が増えたという結果が出たといいます。

なぜ「腸内細菌」なのか?

じつは、「人間の「免疫機能」の6~7割は「腸」にある!」と言われているのです! そして腸をみるときに重要になってくるのが、「腸の免疫細胞」と「腸内細菌」です。この2つが協力し合うことで「腸」は機能していっているのです。

この「腸内細菌」というのが「=腸内フローラ」のことです。つまり、「免疫機能」を司る重要ポジションにいるのが、この「腸内フローラ」なのです。

女性(笑顔)

それはすごいわね!

「アトピーに、乳酸菌が効く!?」なんていう話も最近よく聞きませんか?

これも、免疫の過剰反応である「アレルギー疾患」に対して、「乳酸菌」が「腸内フローラ」にプラスに作用することによって、アレルギー症状が良くなる可能性が期待されている! ということなのです。

ただ、ここには注意が必要です。「乳酸菌」にもいろいろな種類があります。また、自身の体にとって良い菌を取り入れていくにもいくつかのポイントがあります。

「腸内フローラ」で最も大切なのは【 バランス 】!

最も有用な「バランス」は?

3種類の腸内細菌

「腸内細菌」は、3種類あります。

【 善玉菌 】
人間にとって「有用な」働きが多いとされる。

【 悪玉菌 】
人間に「困った」働きの多いとされる。

【 日和見(ひよりみ)菌 】
これは、「強い方に見方をしますよ!」という菌です。なので、応援部隊と考えるといいでしょうね。

結局は、「善玉菌」と「悪玉菌」の比率が、そのまま「腸内フローラのバランス」になっていくということです。

「悪玉菌」にも役割がある!

また「悪玉菌」と聞くと良くないイメージになるかもしれませんが、「悪玉菌」にもきちんと役割があるので、全くなくても困るのです。

例えばこんな話があります。

「生まれながらにしてアトピーの赤ちゃん」の腸内細菌を調査した結果、「悪玉菌が少ない‥」という事実がわかったそうです。「悪玉菌」が少なすぎても免疫機能が落ちてしまうということですよね。

なので、やはり重要になってくるのは、そのバランスです。

理想の腸内細菌バランス

善玉菌20%・悪玉菌10菌・日和見菌70% と言われます。

そして、この中で「日和見菌」は応援部隊なので、比率として重要視するのは、「善玉菌」:「悪玉菌」の部分になってくるわけです。

「善玉菌」と「悪玉菌」!

腸内細菌は「生き物」です。つまり、「何かをエサとし、それをエネルギーにかえて生きている。」ということ。

善玉菌

「善玉菌」のエサは、ブドウ糖などの「炭水化物」です。しかし、ブドウ糖などの多くは小腸で吸収されてしまうといい、腸内細菌の99%はがいると言われる大腸までは届かないのです‥

では、大腸まで届く炭水化物は何なのか? というと、それが「食物繊維」です。

つまり、「善玉菌」は、食物繊維などをエサとし、エネルギーに変えていっているということ。そして、その分解産物として出すのが、「ビタミンB群」や「(腸内を弱酸性に保つ性質をもつ)酪酸・酢酸・乳酸」などの物質です。

悪玉菌

「悪玉菌」のエサは、「脂質」や「たんぱく質」です。そして、これらの分解産物は、「アンモニア」や「硫化水素」といった物質です。だから、肉を食べすぎると、おならや便が臭くなってしまうのですね‥

バランス

つまり、「食物繊維」の摂取が少なくなり、「たんぱく質」や「脂質」の摂取が多くなるといった状況下では、腸内細菌たちのバランスが、それらをエサとする「善玉菌」の比率が減り、「悪玉菌」が優位の形になる。ということです。

現代は、食の欧米化により、「肉中心」で「野菜や海藻類の摂取が少なく」なってしまっていますよね。だからこそ「食生活」に意識を向けていく必要があるのです。

男の子(まる)

なるほどー。

「腸内フローラ」のバランスを良くするためのポイント

食べ物

普段の「食生活」や「食習慣」を意識することで、腸内フローラのバランスを良くしていくことはできます!

上でみてきたように、欧米型の食事スタイルを、少しずつでも「和食」スタイルに変換していけるといいですよね。意識していきましょう。

そして、それに加えて積極的に摂っていきたい食べ物が、コレ↓

「善玉菌」を多く含む食べ物

乳酸菌

※1 ヨーグルト、チーズ、※2味噌、キムチ、ぬか漬け、塩こうじ など(「発酵食品」ですね。)に多く含まれていると言われる「乳酸菌」!

しかし、ここで注意したいのは、「乳酸菌」にもいろいろな種類があり、ものによっては、胃酸などで消化されてしまい生きて腸まで届かないものもあるということ。

※2の食品は植物性の乳酸菌なので、比較的、胃酸に強く、生きたまま腸に届くと言われています。

※1の食品は、動物性の乳酸菌なので、その種類によりまちまちです。

ヨーグルトなどに「生きたまま腸に届く!」などと表記されることがありますが、これは、逆を言えば、「生きたまま腸まで届かないものもある。」ということなんですよね。

また、よく見かける「プロバイオティック」というフレーズ。これも、「生きたまま腸に届く微生物」という意味をもっており、最近では、そのような微生物が入っている食品を示す言葉となってきました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

納豆菌

こちらは、日本がほこる栄養食品、納豆ですよね。納豆菌は、胃酸に強いので、生きて腸まで届きます。乳酸菌もおおく、腸内環境を整えるだけでなく、強力な分解酵素を生みだしたり、ビタミンB群をたくさんつくったりと、とてもいい仕事をたくさんしてくれます。

こうじ菌

味噌、しょうゆ、塩こうじ、甘酒、三五八漬けなどですね。デンプンを「オリゴ糖」などの糖にかえる分解酵素が多く含まれています。

酢酸菌

酢、ワインビネガー などですね。ビフィズス菌を増やす効果があるといいます。

「相性」や「持続性」も大切に!

「腸内細菌」には個人差があります。また、地域や食習慣によっても変わってきます。そして「相性」もあります。これが良さそうだからと食べていても、常在菌や腸との相性が悪いものは定着していきません。また、食べ続けていくことも重要ですよね。数回食べただけでは、よそ者扱いされ追い出されておしまいです。

常在善玉菌を増やす働きのある食べ物

善玉菌のエサは「食物繊維」でしたね。また「オリゴ糖」なども、「難消化性糖類」(胃や小腸で消化されない糖類)に分類されるためいいといいます。

「食物繊維」の多い食べ物

ごぼう、キャベツ、人参、いも類、海藻類、きのこ類など。また、玄米ご飯にも豊富に含まれています。

「オリゴ糖」の多い食べ物

ヤーコン、豆類、大豆製品、玉ねぎ、ごぼう、バナナ、ハチミツなどです。また最近は、オリゴ糖単体でも販売されていますよね。

まずは、自分の体にいる常在菌を増やしていきましょう!

「乳酸菌がアトピーに効く!」なんて情報が流れると、「乳酸菌飲料」を求めてしまったりとしてしまいますが、一番は、今、自分の体の中にいる善玉菌が喜ぶものを摂っていけるように意識を向けてみることなのではないでしょうか。その次に、「善玉菌を多く含む食べ物」を常食していく習慣をつけることでしょうね。

そんな意味でも、日本に古来からある「発酵食品」を食していく習慣は大切にしたいものです。

女性(笑顔)

そうよね。「和食」って、それだけで、上の条件をみんな満たしているものね。

「自分の腸」が喜ぶ食習慣を!

腸はとてもかしこい臓器です。「第2の脳」とも言われますが、「食べ物が安全かどうかの確認においては、脳を勝る!」といった言われ方をすることもあります。確かに、「美味しそう!」と思って食べても、下痢や嘔吐といった形で排出されることもありますよね。それこそ、腸が脳に勝っている証なのかもしれません。

ぜひ、そんなふうにかしこい「自分の腸」を大切にしていってください。そして「自分の腸」が喜ぶような「食生活」や「食習慣」をつけていってください。それだけで、「腸内フローラ」がいいバランスになっていきますよ。きっと。