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この時期、保存ビンや氷砂糖とともに梅が店頭に並んでいるわよねー。梅の加工って、初心者の私でもできるのかしら・・?
「梅仕事」の季節になりましたね。
「梅はその日の難のがれ」「梅は三毒を断つ」など、昔から健康食品として愛されてきた梅。上手に加工・保存し、生活に取り入れていってみましょう。
Contents
梅の効能
梅は、体に潤いを与えて、汗のかき過ぎや下痢による喉の渇きを癒します。腸の働きを整えるので、下痢や便秘の改善にも効果を発揮します。
梅特有の酸味は、クエン酸などの有機酸によるもの。疲労回復効果が高く、首や肩こり、神経疲労の回復も期待できます。また、水分代謝も整えて消化を促し、食欲を高める効果もあるので、暑気あたりの改善にも適しています。

すごーい!
旬の時期に上手に手を加えて「保存食」にしておくことで、夏場に多い細菌性の食中毒や夏バテ予防などにも活用でき、日ごろの食養にも利用していくことができます。
青梅レシピ
6月になると出回り始める梅。上旬ころは青梅が出回り、中旬~7月にかけては完熟梅が出回ります。
一般的には青梅で梅酒や梅シロップを作りますよね。完熟梅は梅干し用に使われます。でもじつは、完熟梅で作る梅酒や梅シロップもコクや甘みが増して、とても美味しいんですよ!
完熟梅で作れば、青梅の時のようにアク抜きの手間も省けます。(また、自然栽培・無農薬の梅であれば、青梅でもアク抜きで水に浸す必要がないといいます。)
今回は、そんな完熟梅での「梅シロップ」「梅ジャム」のレシピ、「梅干し」レシピ、青梅からは「梅肉エキス」レシピをご紹介しますね。
完熟梅レシピはコチラ→「完熟梅レシピ」
「青梅レシピ」↓
梅はコチラ ↓ から購入しました。
ふるさと21(https://www.fsec.jp/)
「自然栽培」のものを取り寄せるなら、ふるさと21がおススメです。価格もそんなに高くありませんよ。
青梅は、広島県の「万汐農園」さんから自然栽培のものを購入しました。
ちょっと熟して黄色がかっているものもありますね。
下処理
一般的には「アク抜き」として「事前に水に浸すこと」をしますが、自然栽培・無農薬のものはその手間は必要ないといいます。
付属でついていた用紙にも「アク抜きの水つけはご遠慮ください。」と書かれていました。逆に、水に浸けることで「変色、褐変の原因」になってしまうといいます。
アク(灰汁)とは、「えぐみ・渋み・苦み」など、舌に感じる嫌な味の総称です。梅の場合は、熟度によってアクの含有量が違います。青いものほどアクが強く、熟するほどアクは少なくなっていきます。
梅は水に濡れると傷みやすくなってしまうので、「水に浸してアク抜きをすること」で失敗する例が多いようですよね。
でも、きちんとした環境で無農薬で育てられているものの場合は「水漬けのアク抜き」は不要です! 完熟梅を使うことや、青梅でも煮込む段階でのアク取りで十分。
こういった「梅選び」のひと工夫で、失敗のリスクを減らすこともできます。なので、ぜひ「梅選び」に重点をおいてみてくださいね。
一物全体レシピ
今回は梅を余すことなく使えるレシピをご紹介します。まず梅の果汁と実を分けて、果汁は煮詰めて「梅肉エキス」にします。そして残った果実部分は、砂糖と煮詰めて「梅ジャム」に。また、そこで取り除かれた種部分はしょうゆに漬けて「梅しょうゆ」にしましょう。最後に「梅肉エキス」を作った鍋では「中華ダレ」も作れますよ。

すごいわねー。捨てるところがないのね!
「梅肉エキス」(※「梅しょうゆ」も!)
※我が家では「低速ジューサー」を使いましたが、一般的なジューサーやフードプロセッサーでもいいようです。また、一つ一つをすりおろしす方法もあります。
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梅は濡れ布巾で拭く程度で大丈夫です。口のヘタの部分を竹串やようじで取り除きましょう。
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梅の実をトンカチで叩くか、包丁で切り取り、種と実に分けます。
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種はそのまましょうゆに漬け込みます。種がかぶるくらいのしょうゆを注ぎ込めばOK。 2~3カ月ほどおくと、梅の風味がついた「梅しょうゆ」の完成です!
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このジューサーで出てきた果汁には、まだ果実のつぶが残っていたので、さらに布巾で濾してしぼりました。
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鍋に果汁を入れて、強火∼中火にかけ、アクをとりながら加熱していきます。(鍋は酸に強い「土鍋」や「ほうろう鍋」を使うといいでしょう。)
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ある程度カサが減ったら、弱火にして、焦がさないように木べらでかき混ぜながら煮詰めていきます。果汁が黒くなりドロリと粘りが出てきたら完成です。※煮詰めすぎると水あめのように糸を引く感じになってしまうので注意しましょうね。
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熱いうちに煮沸消毒したビンに入れ、冷めたらフタをして冷暗所で保存すれば、何年も持ちます。
昔から梅の有効成分がギュッと凝縮された食べる薬と言われてきた「梅肉エキス」。
強力な殺菌・解毒作用があり、腹痛や下痢、食あたりなどに、耳かき1杯なめるだけで効果があるとも言われています。またこちらは、抗アレルギー効果もあるので、アトピーにも有効的なんですよ。
「梅エキス」を作った土鍋で「中華ダレ」を作っちゃおう!
☆1

「梅エキス」って、とろみがありドロリと出来上がるので、鍋にこんなに残ってしまうんですよね。
でもこの鍋に、水 + しょうゆ + みりん + ごま油 を入れて煮込んでいくことで、「中華ダレ」にしていくことができるんです!
☆2

今回は、水200㏄ + しょうゆ200cc + みりん200㏄ + 砂糖(きび糖orてんさい糖)15g を加えて、梅肉エキスの残りを煮溶かしました。
私は、この時点でビンに移して保存します。そして、使う分量だけ取ってゴマ油を好みでプラスして使っていきます。
☆3

※この日の夕飯は、この中華ダレで冷やし中華になりました!(^^)
「梅ジャム」
梅肉エキス作りで出た果実の搾りカスは、砂糖を加えて煮込み、ジャムにしましょう。(※砂糖は、白砂糖よりもミネラル分の多いきび砂糖やてんさい糖を使うといいでしょう。)
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絞りカスの重量を計ります。ジャムの場合は、梅の重量の60%量の砂糖で煮込んでいきます。
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アク抜きをします。水150㏄に対して重曹小さじ1を入れて火にかけます。湧いたら火加減を調節しながら、アクをしっかりと取り除きます。実をザルに取り、上から水で洗い流します。
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アク抜き済みの梅、その60%の重量の砂糖(てんさい糖orきび糖)、砂糖と同量の水を使います。(例えば、梅300gだったら、砂糖180g+水180㏄です。)
梅+水、砂糖は2回に分け入れて、煮込んでいきます。味を見ながら好みの粘り度で火を止めて完成です。
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熱いうちに煮沸消毒したビンに入れ、すぐにフタをして常温で冷まします。密閉できていれば、冷蔵庫で半年ほど保存可能です。
ジャムには大量の砂糖を使いますよね。それは、砂糖により保存性を高めるためです。
砂糖には抱え込んだ水分を放さないという性質があるために、カビや細菌の繁殖を防ぐ効果があります。
しかしここで大切なのは、果実に含まれるペクチンと酸味成分と砂糖のバランス。これが適量でないといけません。なのでジャムの場合は、果実の60%重量の砂糖を使用するのです。

そうなのね! じゃあ、保存性を望まなければ、砂糖控えめのジャムもありなわけね!
そうなんです。砂糖を減らそう!避けよう!という意識の方は、ここを十分に理解した上で、お好みの甘さに砂糖の量を調節していくといいでしょう。それが、手作りの利点でもありますよね。
雑菌が入り梅がカビたりしないように、容器は使用する前に消毒をします。消毒の方法ははいろいろあります。
煮沸消毒
鍋に入る小さな瓶やフタなどは、鍋に入れて湯を沸騰させて消毒します。やけどをしないように注意しましょう。
大きい瓶などの場合は、熱湯をビンの淵から回しかけても消毒になります。(いきなりビン底に熱湯をかけると、ビンが割れてしまうことがあるので、淵からかけるようにしましょうね。)
アルコール消毒
アルコールや焼酎(35度以上のもの)を、キッチンペーパー等に浸み込ませ、食べ物を入れるところ全体を拭くという方法もあります。お酢でも消毒になりますね。
天日消毒
よく洗ってから「天日干し」でも消毒になります。大きい容器や自然素材のもの(竹のざるや木のまな板など)にはこの方法がいいでしょう。