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「子どものアトピー」って見た目に痛々しくてね。しかも、痒がるし、掻き壊しちゃうし、ひどいと血まみれになっちゃっうし。どうしたらいいのかわからなくなるのよね・・
皮膚炎はなぜ起こる?
「アトピー性皮膚炎、好きなだけ掻かせてかまわない!」 こんな考え方があることを知っていますか?
これは、アトピー性皮膚炎に対して「脱ステ、脱保湿、脱風呂」を提唱している皮膚科医の藤澤重樹氏の考え方です。
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えっ、「脱ステ」は、何となくわかるわ。でも「脱保湿」「脱風呂」ってどういうことなのかしら? しかも「掻かせていい!」っていうのも?
まずは「皮膚炎というのが どういう状況で起こるのか?」ということを理解できると、その対処法というのが見えてきます。そして、なぜ藤澤先生が「脱保湿」や「脱風呂」と主張するのかも理解できてくると思います。
「アトピー性皮膚炎」の定義
そもそもの「アトピー性皮膚炎」というものは「アトピー素因をもつ人(体質のことです)に起こる、慢性的な皮膚の湿疹、皮膚炎のこと。」と説明されています。そして「皮膚が本来持っているバリア機能が低下して、抗原(刺激物)が皮膚のなかに入りやすくなっていること。」が要因の一つとされています。
ちなみにこんな考え方もあるのです! ↓
これは、イギリスの皮膚科学教授が論文で発表した考え方です。「アトピーは、アレルギーの症状ではなく、皮膚の機能障がいにより起きている症状である。」と主張していますね。
「皮膚の機能障がい」とは?
そもそも私たちの体は、自身で生命活動をまわしていくためにさまざまな機能を持っています。「皮膚」に関してもそうです。本来の皮膚は、
① 汗をかいたりとして、体温調整をする機能。
② からだから水分が蒸発するのを防ぐ機能。
③ 内側の組織を保護する機能。
④ 刺激物や有害ウイルス・細菌などから身を守る機能。
などの機能を持ち備えているのです。そして、これらは絶えず「新陳代謝」を繰り返しながら、生命活動の維持に貢献しています。
「皮膚の機能障がい」というのは、これらの本来の皮膚機能に関して、何らかの原因により、何らかの障がいが生じてしまっている状態のことです。
その皮膚機能を壊してしまっている要因としてあげられているのが、
① 界面活性剤
② 黄色ブドウ球菌などの微生物が産生するプロテアーゼという酵素
③ ステロイド外用剤
です。
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それは、ビックリな考え方ね!
本来の皮膚の機能性
「常在菌」の存在
もともと人の皮膚の表面には「皮脂膜」という脂肪でできた膜があります。それらにも、生命活動をまわすためのしくみが働いているのですが、さらにその働きを助けてくれている存在が【 常在菌 】です。微生物ですね。
「菌」と聞くと、あまり良くないイメージにあるかもしれませんが、「私たちの体はたくさんの「菌(微生物)」により生かせさている!」といっても過言ではないくらい、微生物の働きというのは、私たちの体にとっても、その健康や生命維持にとって無くてはならないものなのです。
私たちの皮膚には、おおよそ10~15種、1兆個以上の常在菌が存在していると言われています。それらは、皮膚を弱酸性に保ち、有害な細菌が侵入しないように外敵から守るなどの役割を担っています。そして、その常在菌のエサが、汗や垢や皮脂です。なので、本来は、汗や垢といったものも、自身の体やそこに共存する常在菌によって「自己洗浄されていく」というしくみが整っています。

へぇー。
しかし「清潔志向」の強い日本人は・・
それが、日本人は「清潔志向」がとても強いために、そんなに汚れていないのに、毎日お風呂に入り、界面活性剤入りのシャンプーやボディーソープ、ハンドソープなどで、体をごしごし洗ってしまいます。
すると、どうなるか?
汚れだけにとどまらず、外敵から守ってくれている常在菌までもを洗い流し、 皮脂膜までもを溶かしてしまっているという事実があるといいます。そしてそれにより「皮膚本来の防除機能」を弱めてしまう結果ともなってしまっているのです。またそれが「アトピー肌」を誘発してしまっているという考え方も広まってきているといいます。
藤澤先生言う「脱風呂」とは、それを防ぐための方法論ですね。「体を洗いすぎること」をまず止める。そして「からだ本来の治すチカラ」を呼び覚ましていきましょう。という考え方です。
保湿も同じです。本来人間のからだは、自ら保湿するチカラをもっています。しかし、外側から保湿してしまうと、からだの持つ本来の機能を弱めてしまうのです。だから「脱保湿」を勧めているのです。
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なるほどー。
「固定概念」を捨てましょう!
なぜ、症状が出ると「何かしなくちゃいけない!」「早く治さなければいけない!」と思ってしまうのでしょうか?
< 固定概念 >
私たちは、何かにつけて「こうしなければいけない!」と思い込んでいることが多いです。
例えば、私の体験談は ↓ こんな感じ。
どうして1日3食+おやつを食べなければいけないの?
私は、息子に食物アレルギーが出たことから、最初に「食」について学びました。すると、「お腹がすく」というリズムをもつことがとても大切だと気づきます。そこで、なぜ「一日3食+おやつを食べなければいけない!」と思い込んでいたのだろう? と疑問に思ったのです。そして、その概念を捨ててみました。
まずは、おやつを止めるところから始めました。すると、子どもたちの夕飯の食べが良くなったのです。そして何より、自分自身の「せっかく作ったのに、残された・・」というストレスもなくなりました。また、経済的な負担も減り、そこへのストレスも減りました。
こんなふうに、知らず知らずのうちに「こうしなければいけない!」と思い込んでいることって、実はたくさんあったりします。そして、それらは無意識のうちに、私たちを縛り、窮屈にさせているのです。確かにそうよね・・
なので、いま一度、自分に問いかけてみましょう。
それって、そうしないでいることに、何の不都合が生じますか?
なぜ、そうするのですか?
( みんながそうしているから? )
( 誰かに言われたから? )
(「一般常識」だから? )実際のところ、自分自身の心や体は、どうしたいと思っているのでしょうか?
「症状」の捉え方
「症状」というのは、体のつ自然治癒力が働いた結果として、表に現れてきているものです。
例えば「熱が上がる」ということ。これは、自身の体が、体内に入ってきた細菌やウイルスをやっつけるために、それに優位な状況を作り出しているわけですよね。その結果、表面的に出てくる症状というのが「高熱」となるのです。
なので、これは「自然治癒力が働いている証」。しかし、それを解熱剤などによって無理やり熱を下げるという対処をすると、せっかく体自身が作り出した「優位な状況」というのを崩してしまうことになり、細菌やウイルスが長く居座ることにつながってしまいます。
「皮膚炎」に関しても同じです。症状として現れてきているものには必ず理由があります。まずは、その理由を探ること、そこを取り除いてあげる努力をすることが大切ですね。そして、症状を抑えようとする必要はありません。症状は「からだの声」だと思いましょう。

「症状はからだの声」かー。抑えるのではなくて、耳を傾けることが大切になわけね!
子どもの掻く癖を治すには
まずは、お母さん自身の心持ちを「ラク」にしていくことですね。症状を抑える必要はありません。そして、お子さんの掻く癖を止めさせようとする必要もありません。
掻かせてもいいの?
確かに、搔き壊してしまうことは良くありませんが、「全身に強いかゆみを、常に、抱えているアトピーっ子」の心に寄り添おうと思ったときには、「掻いてはいけない!」という「固定概念」は捨てた方がいいのです。
アトピー症状を悪化させる要因の一つに「ストレス」があります。「病は気から」ということわざもあるくらいに、「心の在り方」は「からだ」の状態と比例していきます。特に子どもの場合は、お母さんの心の在り方を、自身のからだに移していきます。
ただでさえ「痒くて仕方のない体」と、24時間、365日、向き合っているお子さん。掻いたら痛くなるってわかっていても、掻いてしまうんですよね。
そこで「掻いちゃダメでしょ!」とたしなめられたら、さらに心が窮屈になってしまうと思いませんか?
反対に、そこで「痒いよね。気が済むまで掻いていいよ。」と、自分の感情を受け入れてもらえたら、それだけでどれだけ救われるか計り知れません。お子さんの心は軽くなり、それに伴って、体も軽くなっていくことでしょう。
だからこそ、常に爪を短く切っておく等の配慮をしてあげた上で、お子さんの体を信じ見守ってあげること、お子さんの心に寄り添ってあげること、そこに重きを置いてあげましょうね。
そして、親としてできることは、皮膚炎を引きおこしてしまっている原因を探っていくこと、そしてそれを取り除くために具体的に何をすればいいのかを考え、実践していくことです。
では、「何が皮膚炎の原因となっているのか?」を考えていってみましょう。 → 「 子どものアトピー シャンプー石鹸はどう選ぶ? 」