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表示の見方
日本における3つの栽培方法
【 慣行栽培 】
化学肥料や農薬を使った一般的な栽培方法。
国内の90%以上をしめます。特に表示はされません。
【 特別栽培 】
化学肥料や農薬の使用を「公的基準」の半分以下に減らして栽培されたもの。
※「公的基準」は、地域や都道府県によって異なります。
農薬を使っていなくても、「有機栽培」の「無農薬」と区別するために、
「無農薬」という表示は禁止され、「栽培期間中農薬不使用」等と書かれます。
その他、「低農薬」「減農薬」等とも表記されます。
国内生産の約5.5%となっています。
【 有機栽培 】
一定期間(作物の種別により、2年や3年と規定)化学肥料や農薬を使用せずに栽培されたもの。
第三者の認定機関により、検査認証を受けて合格すると、
「有機JASマーク」を表示することが出来ます。
その他、遺伝子組み換え種苗の使用は禁止。
収穫後の化学物質及び放射線の照射も禁止されています。
国内生産量はまだまだ少なく、全体の0.1~0.2%となっています。
「有機栽培」
「有機JASマーク」誕生まで
昔は「有機農業」が当たり前
化学肥料が使われ始めたのは、第二次世界大戦以降。なので、それ以前の農作物に使われていた肥料は、人や動物の排泄物や山林の下草・堆肥等といった「有機肥料」。つまり、「有機農業」は当たり前に行われていたのです。
それが、「化学肥料」の登場・普及により、それらを使う農業が当たり前に変わっていき、「有機農業」は特別なものとなっていってしまいました。
有機農業運動
しかしそこで、農薬による健康被害や土壌の枯渇などを通し、疑問を持った人や、食べ物への影響を懸念した人たちがいました。そして、「有機農業運動」が生まれたのです。
有機生産を進める農家、そんな有機農家を支える消費者、そして、組織的に生産者と消費者をつなぐ「生活協同組合(生協)」や有機農産物専門の流通業者も誕生したといいます。
しかし、そうやって組織的な広がりも持っていくと、やはり、いろいろな問題も発生していきます。「有機農業」のイメージの良さから、少しの有機肥料を使っただけでも「有機」と表示されるようになったり、市場出荷の一般野菜のほとんどに「有機表示」がつけられたりと、安易に「有機」の表示が使われるようになったといいます。
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それじゃ、わからなくなっちゃうよ‥
「有機農産物等特別表示ガイドライン」
その混乱を整理するために農林水産省がつくったのが「有機農産物等特別表示ガイドライン」です。ただ、農林水産省は、もともと「有機農業」に好意的ではなかった。そのためか、このガイドラインには、多くの「あいまいさ」が残ってしまったのです。
何が「あいまい」かというと、
まず、化学肥料や農薬を使わない「有機栽培」と、化学肥料や農薬を規定の半分以下におさえた「特別栽培」、この2つが、ガイドラインの中に混在すること。欧米では、例え化学肥料や農薬を半減したとしても、やはり、それらが使われている農産物は「有機農産物」とは認められないといいます。
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確かに!「有機栽培」と「特別栽培」の違いなんて分からないわ。
同じガイドラインに入っていれば、なおさら 同じと思っちゃうわね。
また、これらはあくまで自己表示であり、検査や認証などの第三者の監視が入るという制度もなく、罰則等の規定もなかったそうです。
「有機JAS法」の誕生
そんな中、世界で動きがありました。1999年、「有機農産物」の「世界共通の基準」が策定されたのです。そして、世界貿易機関(WTO)も、「それをもって貿易の取引きをするように。」としました。
その流れを受けて、2000年に、日本でも「有機JAS法」という法律ができたのです。
どちらかというと、世界の流れに後押しされる形での法律化だったようですが、ここで、第三者による検査・認証制度も導入され、「有機JASマーク」のないものには、「有機○○」や「オーガニック○○」といった紛らわしい表示も禁止されるようになりました。
「有機栽培」が抱える問題
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でも、「有機栽培」の中にも、「良くないものもある‥」と聞くわ!
「有機JASマーク」のついているものは、
*化学肥料や農薬を一定期間(作物の種別により2年や 3年と規定)
継続的に使用していない。
*遺伝子組み換えの種苗の使用禁止。
*収穫後の化学物質の使用及び、放射線の照射の禁止。
*国際基準準拠 等
がクリアされているものです。
しかし、ここで問題点として指摘されている部分もあります。
「有機肥料」もいろいろ‥
「有機肥料」とは、家畜の排泄物などの「動物性肥料」と、アシや米ぬかナタネの油かすといった」「植物性肥料」とがあります。これらは、本来は4~5年寝かせて完熟させたのち、はじめて堆肥として使えるようになると言います。
それが、いまは「手間を惜しむ」時代。」
一年寝かせただけなどの「未熟な堆肥」を使ってる農家も、結構いるのだそうです。
こういった堆肥は、「なぜ、いま「オーガニック」が求められるのか?」でも出てきた「硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)」の害の問題や、害虫を呼び寄せ、農薬を使わざるを得なくなったりするという問題を引き起こしてしまいます。
また、いまは、家畜のエサは、遺伝子組み換え作物が主流となっています。遺伝子組み換え作物のエサを食べた家畜の排泄物が、はたして、本当の意味で「有機」といえるのでしょうか?
一部の農薬は使用OK!?
「有機栽培」といっても、30種類の農薬の使用がOKとされているという事実もあります。
「本物の有機農家」とは
一方で、「無農薬」で「完熟した堆肥だけ」「植物性の堆肥だけ」を施し、自然と向き合いながら有機栽培をがんばっている農家もいる。
また最近は、「自然栽培」や「自然農法」という言葉も見かけますよね。
~「奇跡のリンゴの木村さん」も有名です。
これは「無肥料栽培」のことです。
‥化学肥料はもちろん、有機肥料も使わない。そんな栽培方法のことを言います。
「有機JASマーク」「有機栽培」「オーガニック」等の表示の裏側には、こんなに幅広い層があるのです。~それは知っておきましょう!

なら、やっぱり、
「顔の見える関係性」って、大切にしていった方がいいわね!
日本における「有機農業」
ヨーロッパでは、耕地面積の10%近くまで「有機農業」に転換する国が出現しているほどだといいます。それほどまでに、時代の流れ、世界の流れ的には、「有機農業」が推進されている。
しかし、日本の「有機農業」の普及率は、全体の0.1~0.2% と非常に少ない。
これは世界的にみても、96か国中62位という低さ。そして、伸び率も悪いといいます。
しかし、これから先、「オーガニックの考え」が必要とされ、重要性をもっていくことは確か!
だからこそ、日常の中に「オーガニック」をたくさん取り入れていってみましょう。
需要が上がれば、それらはより求めやすくなっていきます。
そして何より、自分たちの心やからだが健康になり、自然環境も守られていきます。

そしたら、
ぼくたちも、動植物も、地球も、みんなが【 Happy 】になるね!