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最近よく目にする「発達障がい」という言葉

自分の子どもに、落ち着きがなかったら、「もしかして、うちの子、ADHDなのかな‥!?」と思ってしまいませんか?

また、最近、よく目にする「大人の発達障がい」・・「社会性に欠ける」とか「表情が乏しい」とか「片づけられない」とか・・ “ それらは、じつは、「発達障がい」が原因だった!” 等という情報もよく目にします。

でも、じっさいのところは、どうなのでしょうか?

私は 7年くらい「障がい福祉」の仕事に携わり、「発達障がい」と診断された方々ともたくさん関わってきました。「 発達障がい とは?」という勉強もたくさんしてきました。それらを通して、感じてきたことや考えてきたことを、少しまとめてみます。

ぜひ、いま「何かしらの困難さを抱えている方々」にとっての「何かしらのヒント」となっていってもらえたら幸いです。

「障がい」‥「害」の字を使わないわけ >

「障がい」と、「がい」をひらがなで書くのには ちょっとした意味があります。

それは、従来の「害」という漢字があまりいい印象をもたないからです。「人を指す言葉として「害」という漢字を使うことは適切ではないのではないか!?」との見解から、「害」の字は使わず、ひらがなの「がい」に置き換えているところが多くなっているのです。最近は、自治体でも「障がい」とひらがなにしているところが多いですよね。

(一昔前まで「痴呆」や「ボケ」と言われていたのが→「認知症」に名称が変わったのと同じような感覚です。)

女性(腕組み)

確かに「害」という漢字は印象が悪くなるわよねー。

ちなみに、「障碍者」というように、「がい」の部分に「碍」の字を当てはめている場合もあります。この「碍」の字は「=礎」という意味をもっています。訳すと「困難のをのり越える」といった意味になる漢字です。なので、どちらかというと「その言葉に込められる意味」を大切にしている人が使っていますね。

「発達障がい」って何?

【 脳の機能障がい 】脳の一部にちゃんと機能していないところがある

そもそも「発達障がい」とは、どういうものなのでしょうか?

「ADHD」「自閉症」「LD(学習障害)」etc. という言葉は聞いたことがあると思います。これらは、大きくはみんな同じで、「脳の機能障がい」です。つまり、「脳」の一部にちゃんと機能していないところがあるということですね。その「ちゃんと機能していない」の場所や程度によって、上記のようなさまざまな診断名がついていくのです。

女性(腕組み)

そっかぁー。「発達障がい」って「=発達に遅れがある」ということではないのね!

ただ、「脳」に関しては、(「脳科学」として研究されているくらいだから、)まだまだ「未知」なことだらけです。なので「発達障がい」というのも、よく解明されていない部分が多いことも事実です。

なので、例えば、(医療全般に言えることですが、精神や神経系の病気の場合は特に)「医師によって診断名が違ってくる」ということもあります。診断名がつくかつかないか?の違いもお医者さん次第になることも多いです。一昔前までは、「小児の精神病」とされていたことが、最近では「発達障がい」とされるようになっているとも聞きます。

なので、大切なのは、「障がい」の分類や「診断名」ではありません。

一番に目を向けていかなければならないことは、その当人が「何に困難さを抱えているか?」の部分です。そして、それに対して「私たち大人には何ができるのか?」を考えていくことなのです。

「車」や「パソコン」の一部の機能損傷に例えるとわかりやすい

例えば、「車」の「ブレーキ」が壊れてしまったとします。 ~どうなるでしょうか?

男の子(虫眼鏡)

止まれなくなるんじゃない!?

そう「止まれない」のです。つまり、自制が効かなくなる、自分で自分を止められなくなる、ということです。これが「多動」という症状に表れているとしたら、その「多動性」を止めるためにはどうしたらいいのでしょうか?

しかし、ここで立ち止まって考えてみると、【白砂糖】には気分をハイにさせ、落ち着きをなくす効果がありますよね。(砂糖の現状は、「砂糖断ち」で花粉症が良くなった!? を参照。)

「多動=ADHD」と疑う前に、お子さんの食生活はどうですか? お菓子やジュースを常飲・常食していませんか? そういった部分をまずは見直してみること、そちらを優先的にしていった方がいいかもしれません。

実際に、常飲・常食していたジュースとお菓子をやめただけで、ADHD が治った!という事例も聞いたことがあります。それは本当に ADHDだったのでしょうか? ・・と疑ってしまいますよね。

女性(腕組み)

そっかぁー。食べ物が影響している場合もあるのねー。

例えば、「車」の「アクセル」が壊れてしまったとします。~どうなるでしょうか?

ずっと のろのろ運転 になってしまいますよね。それはつまり「行動に勢いをつけられない」ということ。ゆえに「やる気が起きない」や「行動ができない」となります。

例えば、「車」のサイドミラーが壊れてしまったとします。~どうなるでしょう?

見える範囲が狭くなり、死角が増えますよね。これがつまり「注意欠陥」です。ゆえに「不注意」になります。

ここで、「なんでちゃんと確認しないの!?」と大人が怒っても、その子にとっては、確認するためのツールが機能しないために出来ないことなのです。そして、それによって一番苦しんでいるのは当の本人です。

しかし、その「出来ない」を怒られる・・すると、その子は自分自身を否定するようになってしまいます。そして結果的には「自己肯定感」も低くなってしまうのです。

このように、「出来ない」に対して適切に対応ができないままでいると、二次障がいとして「精神病」を発病することも少なくありません。

女性(ショック.)

そうなのね・・

例えば、「パソコン」の「上書き」機能が出来なくなってしまったとします。つまり、新しい情報をインプットできなくなるということですね。ゆえに「覚えられない」という症状が出てきます。

これも「出来ない」のは、本人のやる気がないからではなく、その機能が壊れているためと考えると、「覚えられない」ことを責めるのは状況を悪化させるだけですよね。そうではなく、それを代替えする方法を一緒に考えてあげましょう。例えば「覚えられない」のだったら、それを自覚し、メモをとる習慣をもたせるようにすればいいのです。

だんだんとイメージできてきたでしょうか?

「発達障がい」とは、こういった「生きづらさ」のことをいいます。一般的に「出来て当たり前」のことが「出来ない」苦悩・・ そして、「何でこんなことも出来ないの?」と責められてしまう苦悩・・

女性(腕組み)

でも「不注意」とか「覚えられない」とか「やる気が起きない」とかって、一般的にもあることじゃないかしら・・?

そうですよね。では、どこからが「障がい」になるのでしょうか?

どこから「障がい者」になるの?

「障がい」や「障がい者」と聞いて、何をイメージするでしょうか? ・・自分を取り巻く環境によってイメージは違ってくると思います。でも、一般的には「自分とは関係のない、別の世界」という感覚の人が多いのではないでしょうか。

女性(腕組み)

確かに「他人事」な感覚ってあるかもしれないわ・・

だけど、よくよく考えてみて、この世の中に「完璧な人間」なんていませんよね。誰もが「得意なこと」と「苦手なこと」をもっているし、誰もが、集団の中で生かされています。

では、その「苦手なこと」が、どこからが「障がい」になり、どこまでが「個性」に留まるのかというと、生活をしていく上で、「自分以外の誰かのサポートを必要とする」状態になったときに、その社会において、「障がい者認定」をもらって「公的な部分でのサポートを 受けやすくする。」というしくみがあるというだけなのです。

例えば、体に「障がい」があって一人ではお風呂に入れない・・ 家族のサポートも難しい・・といった場合には、「障がい者認定」をもらって、「施設」や「ホームヘルプ」や「訪問入浴」を利用していき、その人の「できない」を補ってあげる。そういう社会のしくみ上、「障がい者」という枠組みをつくっているだけですよね。

でもこれを、「脳の機能障がい」(「発達障がい」ですよね。)にあてはめると、見えずらいので、難しくなってきます。

例えば、病気や事故で足を切断した人は、「車いす」や「義足」を利用して、その人の「できない」を補っていきます。これは目に見えるので、わかりやすいです。

しかし、例えば、脳の「上書き」機能が壊れていて「新しいことが覚えられない」とします。そうなったときに、ぱっと、「「脳の機能障がい」だから、仕方ないね・・」とはなっていきませんよね。「まったく、もう、何回言っても覚えないんだから! 」という「怒り」になるでしょ。すると、その子の「できない」は、気づかれないままに、「補われない」ままに、置き去りにされてしまうのです。

そして、その「できない」に対しては、本人も「「脳の機能障がい」が原因だ。」という発想にはならないので、「できない」理由がわかずに、本人自身が苦しんでいく状態にもなっていきます。

・・なのに、周りから責められてしまうのです・・

すると、「自分はダメな人間なんだ」と、精神的にも追い詰められていってしまいますよね・・

こういったつらさを、「発達障がい」とされる子どもたちは抱えています。

なので、診断名や障がい者になるかどうか? ではなく、その子自身が「何に困難さを抱えているか?」、そして、私たち大人が、その子に対して出来ることは何か? そこに目を向けてあげてほしいと思います。

では、さらに具体的にみていってみましょう。(→「発達障がい」シリーズ② ~「その子」自身をみていく~