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摂ってはいけない「油」
オメガ3脂肪酸のように積極的な摂取が勧められる油に対して、体にわるい影響を及ぼしてしまうので、極力避けた方がいい!と言われる油もあります。
とても危険な「トランス脂肪酸」
「トランス脂肪酸」とは、油を加工・調理するときに、原子の結びつきが変わってできてしまうものです。これが、私たちの体に悪い影響をあたえてしまうことがわかっていて、欧米諸国では規制や含有量の表示義務がなされています。しかし日本では何の規制もなく、国民の認識も低いという現状。そのために私たちは「気づかないところで」たくさん摂取してしまっています・・
そして、そんな「トランス脂肪酸」が多いとして有名なのが、「マーガリン」や「ショートニング」です。
植物性・動物性の油脂を乳化し、水素を添加しているものが「マーガリン」です。「バター」の代用品として人工的に作られました。この水素添加の際に「トランス脂肪酸」が発生してしまうといいます。同じく植物油に水素添加を行い固形化したものが「ショートニング」です。「ラード」の代用品として人工的に作られました。こちらも水素添加をするため「トランス脂肪酸」が発生してしまいます。
これらは、「食べるプラスチック」等と揶揄されるほどに危険性が言われているのですが、日本人にはそんな認識があまりないですよね・・
面白い実験があります。アメリカのある経営者が行った「マーガリン大実験」と呼ばれるもの。マーガリンの塊を屋外に放置したのですが、2年経っても元のままで、カビも生えず虫も全く寄ってこなかったのだそうです・・
(参照:http://holisticfaith.com/healthy-living/are-ants-smarter-than-humans/)
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アリは、マーガリンを食べ物と思っていない!ってことだね。
「マーガリン」や「ショートニング」は、意識すれば避けていくことができますよね。できるだけ、本物のバターやラードを使っていくようにしましょう。また、加工品(特にパンなど)にも多く入り込んでいます。注意していきましょう。
また他にも注意したほうがいいのは「安価な植物油」です。これらも「トランス脂肪酸」の含有量が多くなっているので気をつけていかなければいけません。その他「市販の油」や「お菓子」などにも多いと言われる「トランス脂肪酸」。普段使いの油の選び方、お菓子を食べすぎないこと等が重要になってきます。
※【「油」の選び方 】については、【 食材選びのポイント 】油脂・ソース・トマト加工品・ドレッシング他・だし他 を参照してください。
とても怖い油の酸化現象 ~その油は大丈夫?
酸化した油
他にも気をつけていかなければいけないのが、「酸化した油」です。どんなに良い油でも、長い時間、空気に触れていると酸化してしまいますので注意しましょう。
「酸化する」というのは、簡単にいうと「さびる」ということです。この「酸化という現象」が様々な場で起こっているのです。それは私たちの体の中でも起こっています。「体が酸化する」=「老化する」ということですね。
人の体の中には「活性酸素」というものがあって、その「酸化力(殺菌作用等)」によって細胞の健康が保たれているのですが、やはり「殺菌作用がある」ということは、それが強くなってしまうと、菌だけではなく、自身の体の機能も破壊し始めてしまうのです。そのように「活性酸素の酸化力」が強くなってしまうということは、つまりは「老化を進めてしまう」ということにつながります。
この「活性酸素」というものが非常にやっかいです。成長すると「フリーラジカル」というものになり、さらに、酸化させていく過程で「過酸化脂質」という仲間を作っていく。そうやって「どんどんパワーアップ」していきます。そして、それにより「病気を誘発してしまう」結果ともなりうるのです。
「酸化した油」の摂取は、この一連の流れを助長してしまうので大変です! 油の選び方のみならず、油を使った加工品にも視野を広げて、賢い選び方をしていかなければいけませんね。
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例えば、どんなものを気をつけていけばいいのかしら・・?
具体的な気をつけ方
「お惣菜(作りおきの天ぷらや揚げ物など)」は揚げられてから時間が経っていればいるほど酸化が進んでいます。またその揚げ油自体が、何度も繰り返し使われ酸化している可能性もあります。
外食も同様ですね。揚げたてで出てきても、揚げ油自体が酸化している場合もあるので、きちんとそういったところに気が向いているお店を選んでいけるようになるといいですね。
その他工場生産される「お菓子」、ポテトチップスや揚げせんべい等のように加工の段階で揚げてあるものは「だいぶ酸化が進んでいる」と考えた方がいいでしょう。できるだけ購入しない、もしくは新鮮なものを購入していく、食べすぎない等の意識をしていきましょう。
また「油あげ」なども、揚げられてから店頭に並ぶものなので、新鮮なものを選んでいきましょう。もしくは調理の際に、少し煮出す、お湯をかける等の「油抜き」をするだけで、体内への酸化油の摂取量が変わりますので、ちょっとの手間をかけていく習慣をつけるもの有効的です。
「抗酸化パワー」で対抗する!
そんな「活性酸素」の酸化力を抑えるために有効的な方法が、「抗酸化パワー」の活用です。本来、人間の体内にも備わっている「抗酸化酵素」というもの! しかしこれは40歳を境に減っていくと言われます。ただ「抗酸化パワー」は食べ物からも摂取していくことが出来るので、食べ物を意識していくと変わってきます。
そして「活性酸素」発生の原因とされる「紫外線」「化学物質」「大気汚染」「電磁波」「ストレス」etc. にも意識を向けられるといいですね。
ビタミンC(レモンなど)、ビタミンE(ナッツ類など)、βカロチン(ニンジンなど)、
イソフラボン(大豆など)、セレン(イワシなど)、亜鉛(カキなど)、
セサミン(ごま)、アントシアニン(ブルーベリーなど)、リコピン(トマトなど)、
カテキン(緑茶など)、セレン(玉ねぎなど)
などに多く含まれていると言います。
また「バナナ」にもいろいろな抗酸化成分が入っています。そして「バター」もビタミンAやEが豊富で「抗酸化作用」がありましたよね。
なぜこれらの「野菜」には「抗酸化力」があるのか? というと、それは「紫外線から身を守るため」だと言われます。そして、それは色にも表れてくるのです。なので「色の濃い野菜」=「抗酸化力が強い」と考えるといいでしょう。「色の濃い野菜」を意識して食べていくようにしましょうね。
※野菜の色と栄養素の関係については、コチラを参照。
また「ハウス栽培」のものではなく「露地栽培」のものを選んでいくというのもポイントになります。なぜかというと、「ハウス栽培」のものは、直接紫外線を浴びていないので、抗酸化力がとても弱いためです。
酸化しにくい油
対して、「酸化しにくい油」もあります。「ごま油」、「パーム油」※1、「ラード」などです。(「なたね油」もどちらかというと「酸化しにくい」方に分類されます。)
加熱料理(特に揚げ物)にはこれらがベターです。揚げ油は「ごま油100%」が一番いいと言いますが、ちょっとコストが高くなってしまうので、「なたね油」に「ごま油」を1割まぜたものでもいいと言われます。そして、揚げ油は一回ごとに使い切りましょう。余った油は小ビンに移し、他の調理で早めに使ってしまいましょうね。
<「パーム油」※1とは・・>
ママが「これは、あまり積極的には食べない方がいい」って言ってた! 何か「作られ方が良くない」って!
「パーム油」とは、アブラヤシの果実を原料とする油です。酸化しにくい性質や、生産効率の良さから、現在の植物油の生産量は「世界一」となっています。しかし、そのためにインドネシアやマレーシアの熱帯森林が次々と切り開かれ、アブラヤシ農園へと転換されていっているという現実があるのです。
この「パーム油」は、「パン」「お菓子」「カップ麺」等、私たちの目に見えにくいところで、たくさんたくさん使われています。私たち日本人の「パーム油」の年間消費量は 約4㎏ なのだとか!? これは約10平方メートルの農園から採れる「パーム油」を食べているのと同じ数値です。
また「パーム油」は、加工上での、薬品や添加物の問題もあると聞きます。
「遺伝子組み換え食品」もそうだけど、「私たちが、知らないうちに食べてしまっているもの」の影響で自然が壊されていると思うと、悲しくなるのよね・・
油の選び方、加工品の選び方、それらを意識するかしないかだけで、いろんなことへの影響が変わってくるのです。ぜひ普段手に取る「油」や「加工品」に、ひと呼吸おいて考えてみる癖をつけてみてくださいね。