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女性(腕組み)

私たちって、普段、どれだけの「化学物質」を使っているのかしら?

「化学物質」に直面している生活

一日に使う「化学物質」の量はどれくらい?

A子さんの一日



朝シャン、整髪料、洗顔、化粧、香水、朝食、食器洗い、歯みがき、洗濯

スマホは必需品、電車で通勤、パソコンワーク、
コンビニのお弁当で昼食、トイレ、 歯みがき、化粧直し

エステ、ネイルサロン、美容室、タバコ

電車で帰宅、夕食、食器洗い、おふろ(入浴剤、シャンプー、リンス、
トリートメント、 ボディーソープ、洗顔フォーム)、美容液、乳液、クリーム


一日に使う「化学物質」の数を数えてみると、本当にびっくりしてしまいます!
~A子さんの一日から想像してみましょう。

「シャンプー」「整髪料」「洗顔料」「化粧品」「香水」・・

朝から、化学物質含有の日用品のラッシュです。例えば、一つの製品に20の成分が入っているとして、25品目使うと、500近い成分を体内に取り入れてしまうことになります。

日用品に含まれる「化学物質」は、気持ち悪くなるどころか、むしろ「気持ちいい!」と感じるほどです。ゆえに、それらは多用され、少ししずつ、少しずつ、体内に蓄積されていってしまうのです。

その他にも、「大気汚染」「水質汚染」「電磁波」「食品添加物」といった、避けては通れない有害物質もたくさんある現代社会・・ 私たちは、そんな社会をどう生き抜いていけばいいのでしょうか?

「経皮吸収」されている

そういった日用品に含まれる化学物質を、私たちの体がどのように吸収していくのかと言うと、日用品の場合は「経皮吸収」されていることが多いです。

経皮吸収率

体の部位によって「経皮吸収率」は異なります。また、年齢によっても異なり、大人よりも子ども、子どもよりも赤ちゃんの方が吸収率が高くなります。



日用品に含まれる化学物質を読み解く!

「赤ちゃん製品」にも多用されています!

おしりふき

例えば、ある製品の成分は、

 水、DPG、塩化Ca、ラウレス-9安息香酸Na、メチルパラベン、BG、ハマメリスエキス
( ※ 赤字「表示指定成分」となているものです。)

とあります。この成分を細かくみていくと、

* DPG ・・ (合成保湿剤)
※ 他の合成成分よりも危険性は低いと言われています。

* 塩化Ca(塩素+カルシウム)
食品添加物、融雪剤、衣類の保湿剤などにも使われています。

* ラウレス-9(合成界面活性剤)
※ おそらく、ラウレス硫酸Naに入るのかな。
「ラウリル酸」と並んで刺激が強いと言われています。

* 安息香酸Na(合成防腐剤)
アレルギー性、発がん性などの危険性が指摘されています。

* メチルパラべン(合成防腐剤)
パラベンの中では、殺菌力・抗菌力は弱いとされています。

* BG ・・(合成保湿剤)
※ 近年は植物性由来のものもあるそうです。


「合成化学物質」が多くて、ビックリしませんか? そして「表示指定成分」となっているものも含まれているのです。

女性(頭をおさえる)

赤ちゃんのおしりを拭くものなのに‥

また別の製品では、

化粧水は純水99%で、PG、パラベン、アルコール、合成着色料、合成香料は無添加です。

と表記されており、成分は、

 水、BG、フェノキシエタノール、セチルピリジニウムクロリドベンザルコニウムクロリド、クエン酸、クエン酸Na
( ※ 赤字「表示指定成分」となているものです。)

となっています。こちらも細かくみていくと、

* BG(合成保湿剤)
※ 近年は植物性由来のものもあるそうです。* フェノキシエタノール(天然成分の防腐剤)
毒性があることが確認されているため、配合量に規制があります。

* セチルピリジニウムクロリド (合成界面活性剤)
強い殺菌、防カビ作用をもつそうです。

* ベンザルコニウムクロリド(合成界面活性剤)
強い殺菌、防カビ作用をもつそうです。

* クエン酸(有機化合物)
肌の弱い人は、痛みを感じる場合があるそうです。

* クエン酸Na・・クエン酸を酸化ナトリウムで中和し作られるのだそう。
毒性はないと言われます。


安全そうに見えますが、こちらにも「合成化学物質」が使われています。また「表示指定成分」となっているものも含まれているのです。

女性(ショック.)

私もこういうのを使ってたわ! 安全そうにみえたのに‥
何か煮え切らないものを感じてしまうわね‥

<何で代用品できるの?>

精油(アロマ)を活用して「ウェットクリーナー」を作ることが出来ます。
「精製水150ml」 + 「キャリアオイル7.5cc」 + 「精油3滴」

※こちらも、オイルや精油は、低品質なものを使うと逆効果なので注意しましょうね。
( 選び方は「アロマ」参照してください。)

また、本来は「おしりふき」は使わなくても、お湯や水でさっと拭くだけで十分だとも言われます。必要以上に使っていないかの見直しもしていくといいでしょう。

ベビーローション

ある製品の成分をみていくと、

水、ミネラルオイル(鉱物系ミネラル)、ジメチコン(シリコン)、グリセリン(油から採れるアルコールの一種)、ステアリン酸グリコール(合成界面活性剤)、ポリソルベート20(合成界面活性剤)PG(合成保湿剤)、フェノキシエタノール(天然成分の防腐剤)、カルボマー(合成ポリマー)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(天然ポリマーらしい)安息香酸Na(合成防腐剤)、オクトキシグリセリン(合成界面活性剤)、スルホコハク酸ジオクチルNa(合成界面活性剤)、水酸化Na(無機化合物)、トコフォロール(ビタミンE)
( ※ 赤字「表示指定成分」となっているものです。 )

こういった成分は、カタカナばかりが並びわかりづらいので、緑字でどういうものかを示しました。(これは、表示に出てくるものではありません。 )すると、やはり「合成化学物質」が多いことに気づかされますよね。「表示指定成分」とされているものも入っています。

女性(頭をおさえる)

赤ちゃんの肌に塗るものなのに‥

<何で代用できるの?>

やはり、安価なものではなく、きちんと信頼のおける業者のものを購入していくといいでしょう。また、本来は健康な赤ちゃんの肌は油脂分が多いので、「ローション」を使う必要はないとも言います。必要以上に使っていないかの見直しもしていきましょう。

紙オムツ( 紙ナプキンも)

また、意外かもしれませんが、「紙オムツ」も「合成化学物質」が多く使われています。

紙オムツは品質改良が繰り返されており、吸湿性も高く、便利さが特に取りだたされますが、その反面で、化学的なものに頼っている部分が大きく、それらによる影響を体が受けてしまうことにもなるのです。

「紙オムツ」とは名ばかり、これらは「石油製品」です。そして、厚生労働省の基準で「生理処理用品は漂白されたものでなくてはならない」とされているのです。このときに使われる「塩素系漂白剤」は「ダイオキシンを発生させる」として問題視されているものでもあります。また「高分子吸収体(高分子ポリマー)」の危険性(「皮膚障害」や「代謝異常」の原因となる。)も言われます。

そして、これは「紙ナプキン」も同様です。(「布ナプキン」の ”心地よさ” を知っていますか?① ~ケミカル品の抱える問題~参照。)

<何で代用できるの?>

「オムツ」に関しては、「布おむつ」や「おむつなし育児」なんていう選択肢もあります。それらを完璧にできなくても、できる範囲で取り入れていくだけで変わってくるものがあるのではないでしょうか。

「ナプキン」に関しても、「布ナプキン」や「オーガニックコットンの紙ナプキン」などがだいぶ出回るようになりました。そういうものを上手く活用していけるようになるといいですよね。

「賢い消費者」になりましょう!

ある人は「現代社会は、化学物質のプールを泳いでいるようなものだ。」と表現していました。本当に、私たちの周りにはたくさんの「化学物質」が溢れています。そしてそれは「私たちの体」に様々な影響を及ぼすだけに留まらず、「自然環境」にも多大なる影響を及ぼしてしまっているのです。

なので、ぜひ、日用品をはじめ、身のまわりのちょっとした部分を、より「自然に逆らわないもの」へと切り替えていく努力をしてみてください。それだけで、自分の体だけでなく、自然環境にとってのダメージも減らしていくことにつながります。そんな「賢い消費者」になっていきましょう。


参考文献:「 危険な日用品から家族を守る もっと知りたい 経皮毒 」 日本文芸社
「 イラスト図解 経皮毒 DVD付き 」 日東書院