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【 いろんな種類の「精油」】それぞれのことを知りたいわ!
「エッセンシャルオイル」(精油)の基本を押さえよう!でみてきた内容を十分に考慮したうえで、「エッセンシャルオイル」(精油)を生活のさまざまな場面に活用していけるといいですよね。
種類別に、簡単な概要をご紹介します。選ぶうえでの参考にしてみてください。また、それぞれに「使用にあたっての注意事項」等がありますので、それらをよく確認してから使用してください。
Contents
フローラル系
ラベンダー
ラベンダーは、お馴染みですよね。ローマ時代には、沐浴にラベンダーが利用されていたのだそうです。心地よい穏やかなフローラルな香りは、緊張や不安感を取り除いて、気分をゆったりと落ち着かせてくれます。「鎮痛作用」などもあるので、感染症予防、肌トラブル、不眠など、あらゆる症状への活用ができます。
<注意事項>
新生児や幼児に使うときは、必ず薄めてください。
ゼラニウム
小さなローズピンクの花を咲かせるゼラニウム。神経の緊張や不安、ストレスなどを緩和し、感情のバランスを整え、穏やかな気持ちに戻してくれるそうです。また、皮脂分泌やホルモン分泌などを調整する働きもあります。
<注意事項>
「接触感作」といって、繰り返して使用すると、接触によってアレルギー反応が起きることがあります。注意して使用しましょう。
ローマンカモミール
ローマンカモミールは、古くから利用されてきたハーブの一つです。りんごのような甘くてフルーティーな香りがします。「リラックス作用」があり、不安やイライラ、不眠を緩和させる他、「抗感染、消炎作用」も持っています。
<注意事項>
肌の敏感な方が炎症を起こすことがあります。使う前にパッチテストを行ってください。
ローズ
バラですね。古代から女性を象徴する「花の中の女王」として珍重されています。不安や緊張を和らげる他、「抗感染作用」「抗出血作用」「催淫作用」「鎮静作用」も持っています。
<注意事項>
妊娠中の方は、慎重にお使いください。
柑橘系
レモン
フレッシュで、はじけるようなさわやかな香りが特徴ですね。その香りは、気分を明るくし、リフレッシュしてくれるので、意識がしっかりして、集中力、記憶力を発揮させます。その他、「抗菌作用」や「防臭作用」もあります。
<注意事項>
肌に極度の炎症を起こすことがあります。使用してから12時間経つまで、直射日光を避けてください。
オレンジ
さわやかでフルーティーな香りは、心に安らぎと元気を与えてくれます。消化器系、免疫系への働きかけや、「健胃・整腸作用」もあり、心身のバランスを整えてくれます。また、皮膚組織再生作用もあります。
<注意事項>
使用後12時間以内は直射日光を避けてください。皮膚や粘膜を刺激することもあるので、敏感肌の人は特に注意しましょう。
レモングラス
レモングラスは、イネ科の植物です。レモンに似たさわやかな香りが特徴で、レモンと同様に、気分をリフレッシュさせてくれます。悪臭にも有効なので「消臭剤」としても活用できます。また「防虫作用」もあります。
<注意事項>
肌に極度の炎症を起こすことがあります。肌の弱い人や乳幼児は使用法に従って薄めてください。開封後はなるべく早めに使い切りましょう。
ベルガモット
ミカン科の常緑樹です。柑橘系に加えてフローラルな香りがします。不安や緊張を和らげる他、「消化器系の調整作用」や「抗菌作用」も持っています。
<注意事項>
「接触感作」といって、繰り返して使用すると、接触によって極度のアレルギー反応が起きることがあります。使用してから72時間経つまで、直射日光や紫外線を避けてください。
ハーブ系
オレガノ
オレガノは、ハーブとしてよく知られていますよね。わずかに苦みのあるスパイシーな香りは、精神状態が不安定なときや、情緒が不安定
なときに「安心感」を与えてくれ、心に活力をもたらし<ます。
「免疫活性化作用」や「抗ウイルス作用」もあり、体の健康をサポートしてくれます。また「カビや菌を抑制する作用」もあります。
<注意事項>
肌に極度の炎症を起こすことがあるので、必ず薄めて使ってください。
コリアンダー
「シャンツァイ」というハーブの種から抽出しています。シャンツァイは「香菜」「パクチー」などとも言われ、なじみのある植物ですよね。
コリアンダーは、カレーのスパイスでも有名です。何千年もの昔からスパイスとして使われてきた歴史をもち、古代エジプトの王家の墓からもみつかっているくらいなのだとか。
ギリシャ、ローマでは、ワインの香りづけに、インドでは肉の腐敗を遅らせるのに使われていると言います。また、心地よい睡眠のためにも用いられており、その「鎮静作用」は、イライラやストレス解消のサポートにもなるそうです。
<注意事項>
大量のコリアンダーで麻痺することがありますので、控えめに使ってください。
タイム
タイムは、料理の風味づけに使われるハーブとしてよく知られています。古代エジプトでは、ミイラの防腐剤として多くのハーブが使われていたそうですが、タイムもそのなかの一つだと言います。強力な「抗菌作用」「抗真菌作用」あります。
<注意事項>
粘膜と皮膚組織(肌)に若干炎症を引き起こすことがあります。妊娠中は使用を避けてください。高血圧の方は、慎重に注意深く使いましょう。
メラルーカ(ティートリー)
「ティートリー」として、よく知られます。とても生命力のある木の葉から抽出されています。医薬品に近い清潔感あふれる香りで、ショックを受けたときにこの香りを嗅ぐと、気分がリフレッシュします。
原産地のオーストラリアの先住民族 アボリジニ の間では、感染症や切り傷の治療に使われてきたそうです。「高い殺菌消毒作用」があります。また「免疫促進作用」もあるので、感染病予防にも活用されます。
<注意事項>
「接触感作」といって、繰り返して使用すると、接触によって極度のアレルギー反応が起きることがあります。
ローズマリー
ローズマリーも、馴染みのあるハーブですよね。地中海沿岸の海辺に生育し、淡いブルーの小さな花が咲きます。ローマ時代から「聖なる植物」として医療や宗教に使われてきたそうです。
その強い香りは、消化器系や筋肉痛などに働きかけます。「抗菌作用」もあるので、関節痛や風邪などの改善にも役立つとされています。
<注意事項>
妊娠中は使用しないでください。てんかんの方も使わないでください。高血圧の方も避けましょう。
マジョラム
古代ギリシャでは、薬草として使われていたハーブです。心に安らぎを与えてくれ、睡眠も促してくれると言います。その他、「ストレスの緩和」「抗けいれん作用」「血圧降下作用」「消化促進作用」「強心作用」もあります。
<注意事項>
妊娠中は慎重にお使い下さい。
樹木系
ユーカリプタス
ユーカリの葉から抽出されます。この葉を、古くからオーストラリアの原住民たちは、熱病などに使ってきたそうです。鎮痛、抗バクテリアなどの他に、「消炎作用」もあり、細菌の増殖や炎症を防ぐなどの作用もあると言います。
<注意事項>
妊娠中は慎重にお使い下さい。
バーチ
バーチは、樺の木の樹皮から採取されます。少し刺激のあるメントール系の香りが特徴です。昔から、スポーツに関連した筋肉痛などの痛みを抑えたり、リューマチや関節痛の治療薬として使用されてきたそうです。血行をよくする「天然のサルチル酸メチルの成分」を多く含んでいます。
<注意事項>
妊娠中は使用しないでください。てんかんの方も使わないでください。サルチル酸メチルに対して、強いアレルギー反応が出る人がいます。まず、肌の一部でパッチテストをしてください。
スパイス系
カシア
カシア(桂皮)は、漢方でよく聞きます。「=シナモン」として言われることもあるようですが、厳密には「カシア」「シナモン」「ニッケイ」は別々の木らしいです。しかし、この3つは、似たような香り・作用をもっています。発熱、解熱、鎮痛、健胃などの作用がある生薬で、漢方にも利用されています。
<注意事項>
「接触感作」があります。肌に極度の炎症を起こすことがありますので、妊娠中は使用しないでください。また、ディフューザーから直接吸い込むと、鼻膜に炎症を引き起こすこともあります。空気中に散布するときには慎重に行ってください。
カルダモン
カルダモンは、スパイスの一つとして知られています。インドでは、「スパイスの女王」と言われ親しまれていているそうです。3000年以上も前から、生薬として使われ、中近東でも古くから調理用のスパイスとして用いられてきた長い歴史をもっているのだとか。主に、胃腸・消化器系の不調改善に役立ちます。
<注意事項>
生理中、妊娠中は使用しないでください。多量に使用すると頭痛などを引きおこすので、量に気をつけましょう。敏感肌の人は、肌に炎症を起こすこともあるので、薄めて使いましょう。
グローブ
グローブは、香辛料としてなじみが深いですよね。「抗菌作用」や「抗カビ作用」などがあり、衣類の防虫、防カビ剤としても活用されるのだとか。また、グローブのつばみは、古くから「歯の健康」にも用いられているそうです。
<注意事項>
「接触感作」があります。敏感な肌が炎症を起こすことがあるので、妊娠中は慎重にお使いください。
シナモン
シナモンも、ハーブやスパイスとして、馴染みのあるものですよね。緊張をほぐして神経を落ち着かせ、心を元気づける作用や、体を温める作用があり、心身の疲れをやさしくほぐしてくれます。また「抗菌作用」も持っています。
<注意事項>
「接触間感作」があります。肌に極度の炎症を起こすことがあるので、妊娠中は使用しないでください。また、ディフューザーから直接吸い込むと、鼻膜に炎症を引き起こすことがあります。空気中に散布するときには慎重に行ってください。
※「シナモン・バーク」を散布するときには、特に注意して下さい。ディフューザーの蒸気口の真横に鼻をもっていくと、外鼻腔が焼けることがあります。
ジンジャー
お馴染みの「しょうが」ですね。「体を温める作用」「発汗を促す作用」を持っています。また、消化器系と神経系への働きかけもあり、消化がよくなります。そして、精神面でも活力を与えてくれます。
<注意事項>
「接触感作」があります。使用してから3~6時間経つまで、直射日光を避けてください。
ペパーミント
ペパーミントも、お菓子や歯磨き粉のフレーバーとしてお馴染みですよね。メンソールのクールで強烈な香りは、意識をはっきりとさせ、気力を高めるのに役立ちます。また、消化器系や呼吸器系にも働きかけます。さらに、抗菌、防臭作用もあります。
<注意事項>
「接触感作」があります。高血圧の方は、慎重に使ってください。妊娠中の方も、注意して慎重に使いましょう。
エキゾチック系
イランイラン
イランイランは、熱帯雨林に生息し、20mほどまでになる高木です。甘くて濃厚な香りから、熱帯地方では「香料の木」と言われているのだとか。古くから「催淫作用」があるとされ、インドネシアでは、式を挙げたばかりの新婚カップルのベッドに花びらをまく習わしがあるのだそうです。その香りは「抗うつ、鎮静作用」もあり、精神面へ働きかけて怒りや緊張をほぐし、心をリラックスさせてくれます。
<注意事項>
「接触感作」があります。注意しながら使ってください。
サンダルウッド
日本では、白檀(ビャクダン)の名前で知られているそうです。オリエンタルな香りが特徴で、瞑想の際の薫香として使われると言います。気持ちを鎮めて、心の調和をはかります。組織を引きしめる収れん作用もあるので、お肌のケアにも活用していけるそうです。また「抗菌作用」も持っています。
<注意事項>
サンダルウッドには定着性があるので、たくさんの量を一度に使わないようにしましょう。
樹脂系
フランキンセンス
フランキンセンスは、古くから祭壇や寺院で薫香としても使われてきた香りで、心を穏やかに鎮めます。細胞を活性化させる働きもあり、肌トラブルにも有効的とされています。また、粘膜のサポートもしてくれるので、気管支系にもいいそうです。
ミルラ
古くから薬理作用があるとされ、古代エジプトでは、ミイラ作りや化粧品などに利用されてきたそうです。「ミイラ」の語源も「ミルラ」からきているとも言われるそうです。ミルラの甘みと苦みを含む独特な香りは、気力を取りもどしてくれます。また、風邪や鼻づまり、乾燥肌にもいいと言います。
<注意事項>
妊娠中は、慎重にお使いください。
【 参考文献 】 「エッセンシャルオイル 家庭医学事典」 アロマツール社 著/訳