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「漢方薬」って、体にやさしそうなイメージだけど、どれだけの効果があるのかしら‥?
「漢方」体験談
腸内環境が原因だった精神面の混乱‥
当時2歳前くらいだった息子の話です。
「脱ステ」から始まりリバウンドの湿疹に苦しみました。その後です。湿疹の急性期を過ぎたくらいから、本人自身が訳がわからなくなっているような「泣き通し」というのが頻繁にみられるようになったのです。
「何がこの子をつらくさせているのだろう?」「それを何とか解決してあげられないかな‥」 そんな想いで「統合医療」を取り入れているお医者さんにかかりました。
私たちが一般的に受けている医療は「西洋医学」と呼ばれます。
患部を診て、クスリや手術や放射線治療などを行うものです。
対して「代替医療(だいたいいりょう)」と言うものもあります。
これは「一般的な医療の代わりに用いられる医療」と説明され、日本だと「漢方」などがそれにあたります。
また「補完医療(ほかんいりょう)」と言うものもあります。
これは「一般的な医療を補なう医療」と説明され、日本だと「鍼灸」などがそれにあたります。
そして、これらをすべて組み合わせたものが「統合医療(とうごういりょう)」と呼ばれるのです。つまり、 「統合医療」=「西洋医学」+「代替・補完医療」 ということ。
そして、その治療目的は、「人間が本来もっている自然治癒力を向上させる。」というものです。※ 現在の日本でも「統合医療」は、厚生労働省によってきちんと位置づけされています。
結果わかったことは、「腸内環境がだいぶ荒れていた‥」ということ。そして、食物の制限をしながら様子を見ることになりました。この時は、卵・乳・小麦・大豆の一部が除去になり、肉・魚の除去指示は出なかったものの本人食べずで、毎日が「精進料理」みたいな感じになっていました。
でも、半年くらい経過すると変化がみえ始め、再検査もして、だいぶ除去しなければいけないものも減っていきました。そして、気づいた時には、変なふうに泣くこともなくなっていたのです。ただ「独特のこだわりの強さ」みたいなものはどこか残っていました。だけど「ちょっとこだわりの強い子」くらいな感じでしたね。
その後、食の見直し・生活の見直しをやっていく中で、また別の「統合・代替医療」のお医者さんに出会いました。
からだの中で起きていたこと
その病院では、「バイオレゾナンス医学」というものも導入していて、「波動」を診ることでからだの中の状態を探り、それに合わせた漢方薬などを処方してくれました。
そこでわかったこと。
まず、息子の体の中には「化学物質や重金属がたまっていた」ということ。また「胃酸の分泌や、肝臓の解毒機能も弱かった」そうです。そして、解毒を促すような漢方薬・胃腸状態を整える漢方薬などが処方され、服用していきました。
すると、漢方薬を飲んだだけで、普段の行動が目に見えて変わっていったのです。普段のこだわりの強さが軽減され、ぐずりも減りました。
これには驚きましたよね。
普段、私たちは「目に見える症状や行動」ばかりを気にしてしまいがちですが、実際にその症状や行動が表れるのには理由があるのです。息子の場合は、根本の「からだ」に上手くまわっていない部分があった。それによって、ガタガタと全体のバランスも崩れていっていたのでしょうね。
それを、食事制限をし腸を休ませるところから入り、また「漢方薬」の助けを借りて、からだ全体のバランスを取りもどすことが出来た。結果、からだのみならず精神面までもが落ち着いていったのだと思います。

すごいわね。漢方薬って、そんな効果があるものなのね!
そもそもの「漢方」って何?
漢方は、「東洋医学」の2大治療の一つとして位置づけられています。
「東洋医学」とは?
「東洋医学」が説明されるときは、難しそうな言葉が並びます。「基盤にあるのは【宇宙哲学】である」とか、「中国で何千年の歴史をもつ医学である」とか、「三大理論は【天人合一】【陰陽論】【五行論】である」とか・・
でも、じつは「東洋医学」の基盤にあるものというのは、そんなに難しくありません。とても、私たちの感覚にスッと入ってくるようなものです。
「東洋医学」の基盤にあるもの
【 天人合一(てんじんごういつ)】
これは簡単に言うと、「人間も自然界の一部である。」や「人間は自然から生まれた、自然の個体である。」という考え方。すると「人間と地球はつながっている。」とか「人にとってやさしいことは、地球にとってもやさしい。」とかという考え方にもつながっていきますよね。それがこの「天人合一(てんじんごういつ)」が示すところです。
【 陰陽論(いんようろん) 】
「男」がいて「女」がいる。
「昼」があって「夜」がある。
「夏」があって「冬」がある。
というように、世の中は「相対する2つのものに分けられる。」とした考え方。
それらが「お互いにお互いの関係性の中で成り立っている」のです。
「男」と「女」が惹かれあう。とか、
「昼」活動して「夜」休む。とか。
これが「陰陽論」という考え方。
【 五行論 】や【 宇宙哲学 】
「星占い」とか「厄除け(方位厄)」等は、とても身近にありますよね。これは「生まれた日にちや生まれた年で分類された枠」と「宇宙の軌道」との関係性から、性格や今日の運勢などをみていくものです。「宇宙哲学」なんて言われると難しく感じてしまいますが、じつは、けっこう身近にある感覚だったりします。
※「五行論」については、あなたはどのタイプ?「星占い」より面白い~5つの分類からみる自分でもご紹介しています。
これらを基盤にもっているのが「東洋医学」というものなのです。ちょっと親近感がわいてきますよね。
「西洋医学(現代医学)」と「東洋医学」のちがい
「西洋医学(現代医学)」は、病気を「部分的」に診ます。患部のある箇所を取り立てて診ていくのです。
対して「東洋医学」は、病気を「からだ全体のバランス」から診ます。 病気は、体のバランスの崩れが原因で起こっていると考えるのです。だから、同じ症状でも、その病気の背景や体質の違いによってアプローチは変わってくるのだとか。そのため、患者さんひとりひとりに合わせた「オーダーメイド治療」ができると言われます。
「未病」という考え方
「未病」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは「東洋医学」の独特の概念です。「病気の一歩手前の状態」や「健康と病気の間の状態」のことをさして、そう言われます。
例えば、めまい、耳鳴り、肩こりなどの「不定期な不調」だったり、健診などで指摘されるけど「本人には自覚がない」高血圧や高コレステロールだったりのこと。これを、病気ではないけど「からだの中のバランスが崩れている状態」とみるのです。
「東洋医学」というのは「=バランス医学」でもあります。つまり「からだ全体のバランスを整えていくことで自然治癒力を高める!」「それにより、外的な病因をはねのけることができる!」と考えます。ゆえに「未病」も治療の対象になっていく。そして、そのバランスの崩れを戻すための治療法として「漢方」と「鍼灸」というものを活用しているのです。
「漢方」とは?
*「生薬」 ‥ 素材の性質を変えずに、単一で用いる個々の薬効植物。
*「漢方」 ‥ 生薬を、一定原則に沿って組み合わせた調合薬。
と分けられます。
「漢方薬」の組み立て
「漢方薬」というのは、2~10種類の生薬で構成されます。その組み立てが面白いのです! 主となる「君薬」と、それを補助する「臣薬」と、その下につく部隊みたいなイメージの「佐薬」と「使薬」で構成されるのだそうです。
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すごい! 僕の大好きな「日本のお侍さん」みたいだね!
「漢方薬」の処方
「漢方薬」というのは、一定の原理・概念のもとに、それぞれのからだや症状に合わせて処方されるものです。これは「バランス」で考えるので、やはり「いまの自分のからだに合わない服用の仕方」をしていってしまうと、それは逆に「からだに負担」になってしまうと言います。
つまり、大切なのは「いまの自分のからだの状態」をきちんと把握していくこと。
「からだの状態から、漢方薬を選び処方してくれるのはお医者さんです。そこは、信頼できるお医者さんをみつけて委ねていけるといいですよね。でも「いまの自分のからだの状態を把握していく」のは、お医者さんではなく「自分」なのです。
そういう「自身のからだのシグナルに気づくこと」「自分のからだに意識を向けること」
それが、現代人は、意外に出来ていないのです‥
「生薬」や「薬膳」
また、そういう「いまの自分のからだの状態」というのを、きちんと把握できていれば、自分としてできることはたくさんあります。「薬膳」や「気功」というものは、そういう自分でできる「養生法」なのです。
「生薬」とは?
「生薬」は、基本的に3つの性質をもつそうです。
*「薬性」‥ 体を、冷やすか、温めるか、という効果。
*「薬味」‥ 味が、体にどのように作用するか?
*「帰経」‥ 生薬の効能が、どの臓器・経路に作用するか?
これらの特性が、生薬だけでなく、普段よく利用する食材にもあてはまります。それが「薬膳」と言われるものです。
「薬膳」とは?
最近、日本で使われている「薬膳」という言葉は、「からだに有効的な食事」をすべて含めての意味合いで使われていますが、本来の「食」に関する概念というのは、もっと細かく分類されています。
*「食用」‥ 季節や場所などの状況に応じての、栄養バランスのとれた食事。
*「食養」‥ 美肌・老化防止などを目的とした食事。
‥「発酵食品は体にいい!」といったイメージ。
*「食療」‥ 不調の改善を目的とした食事。
‥「病気のときは、おかゆ」みたいなイメージ。
*「薬膳」‥「食療」に生薬を加えて作った、病を治すための食事。
‥「おかゆにショウガや梅干しをプラスする!」みたいなイメージ。
しかし、あまり概念にこだわり過ぎない方がいいと思います。
大切なのは、「いまの自分のからだにとって必要なもの」や「いまの自分のからだが喜ぶもの」を食していくこと。すると、それが「薬膳」になっていくのです。
どうしても日本人は「答え」を求めてしまいますよね。「梅干しを入れたおかゆ」=「薬膳」と思ってしまう。でも「薬膳」や「漢方」というものには「これにはこれ」というような「答え」がないのです。
同じ「梅干しを入れたおかゆ」でも、それを必要とする人にとっては「薬膳」になるけど、それを必要としない人にとっては「薬膳」にはならない。結局は、自分が何を必要としているかの「からだの声」が聞けているかどうかが一番大切なのです。
「漢方」や「薬膳」が理解できたとき
そして、そういう「答えがないもの」というのは、じつは、社会にたくさん転がっていますよね。なのに、何か答えを求めてしまうから、いろいろなボタンのかけ違いが生じてしまっているのではないでしょうか。
「漢方」や「薬膳」というものを理解できたとき、きっと、そんなふうに、社会の見え方も変わってきたり、自身の心の在り方も変わってきたりとするのかもしれません。なので、ぜひ、「薬膳」や「漢方」を自身の生活に取り入れ実感してみるところから始めてみてください。

「答えはなくてもいい」かぁ。 それよりも「いまの自分がどう感じるのか?」なのね!